細胞バンクについて


「細胞バンク」をご存じですか?
細胞バンクとは”自分の細胞を採取して、いざというときのために保管しておくシステム”です。
将来、再生医療による治療が必要になったときに、細胞バンクで保存していた細胞を活用します。
細胞バンクとは
「細胞バンク」とは、患者様の細胞を採取して、もしものときに備えて長期的に安全に保存するサービスです。例えば、将来大きなケガや病気をして再生医療による治療が必要になったときに利用します。
細胞も歳とともに老化していくため、ケガや病気をすると次第に治りが遅くなります。しかし、健康なとき、あるいは若いときに細胞を採取して保存しておけば、歳をとって再生医療が必要になったときに元気な自分の細胞を利用できるのです。培養して数を増やすことで病気の改善に役立てることができるでしょう。
ご自身の細胞を使用することで拒絶反応のリスクを軽減し、組織の機能回復能力の向上が期待できます。これが「細胞バンク」の最大のメリットです。
当院では、院内に「細胞バンク」のための施設を設置しています。この細胞バンクの施設には、専門の知識を持ったスタッフしか出入りすることができません。患者様からお預かりした細胞は厳重に管理いたします。
細胞の採取は専門知識を有した医師と培養士が行います。採取した細胞から幹細胞を抽出し、凍結保存します。凍結保存した幹細胞は、厳重に保管し定期的に保存状態に異常がないか確認しています。安全で高品質な細胞を保存するために、スタッフ一同扱いには最新の注意を払っています。
もしもの病気に備える「細胞バンク」


自分の細胞を使った幹細胞は、「分化」する能力を持ちます。分化とは、それぞれの細胞がなにかしら役割を持つことです。例えば、心臓や肝臓などの臓器や皮膚や髪、爪などの組織、骨や軟骨、筋肉などのように、各臓器や細胞に合う機能を持つようになるのです。
再生医療はこの分化の性質を利用して、難病の治療や関節の治療、肌の治療などさまざまな部位の治療法に取り入れられています。現在も日々臨床研究が行われており、多くの可能性を秘めていると言われています。
特に、人工関節の手術に代わる治療法として再生医療が注目されています。これまですり減った膝の軟骨への治療は人工関節を使った手術を行うしかありませんでした。しかし、ここ数年の再生医療の技術が格段に進歩したことで、ある程度の軟骨のすり減りは再生医療で修復できることが分かったのです。膝関節を酷使するアスリートにとって、とても有効な治療法と言えるでしょう。
そして、細胞バンクでは、ご自身の細胞を使うことで拒絶反応リスクが低いというメリットがあります。そのため、拒絶反応や感染症などのリスクを低減させながら、組織機能の回復が期待できるのです。これまで手術からリハビリまでには長い時間がかかっていましたが、再生医療で損傷部位を修復すれば、治療期間を短くできるでしょう。
コンピュータによる徹底した管理


「細胞バンク」で幹細胞を長期的に保存するにあたって、問題になるのはいかに細菌汚染を防いで保存時の状態を維持するかです。
毎回細胞の状態をチェックするために取り出すとそれだけ細菌汚染のリスクを高めることになります。また、何度も解凍と凍結を繰り返すと、細胞に影響が出るのは言うまでもありません。
当院の細胞バンクは、〇〇社製の細胞保存システムを採用しています。これにより、凍結保存した細胞にまつわる情報はすべてコンピュータで管理し、必要なときに必要な情報を取り出すことができます。また、凍結保存されている幹細胞の状態を確認することも可能です。